緑内障と診断されている場合、ICL手術によって術後に眼圧が上がりやすくなり、病状の進行リスクが高まるため、手術を受けられないケースが多く見られます。
緑内障の場合にICL手術が難しくなる理由と、例外的に手術が検討されるケースや、手術後に緑内障を発症した場合の対応、検討時に確認すべきポイントを解説します。
自分の目の状態を踏まえて、ICL手術について医師に相談したり、他の視力矯正方法を検討したりできるようになります。
緑内障の人はICLができない?手術が難しい理由と注意すべきリスク
緑内障の症状がある人は眼圧の変動に弱く、ICL手術を安全に受けられないケースが多いとされています。
ICLでは眼内にレンズを挿入するため、房水(目の中の液体)の流れや出口となる隅角の形に影響が出やすく、視神経に負担がかかりやすい状態になります。
なぜ緑内障の人はICLが難しいのか、手術を受ける場合に考えるべきリスクを解説します。
ICLが難しい主な理由・リスク
- レンズ挿入により眼圧が上がりやすく緑内障が悪化しやすい
- 検査数値が揺れやすく進行を見落としやすくなる
- 炎症やむくみに弱く、合併症リスクの管理が複雑になる
ICLで眼圧が変動し緑内障が進みやすくなる
ICLを挿入すると、目の中を循環する房水の流れに変化が生じ、眼圧が安定しにくくなることがあります。
緑内障の人は視神経が圧に弱いため、わずかな眼圧の変動でも視神経への負担が増え、病状が進行しやすくなります。
たとえば、手術後の一時的なむくみによって眼圧が上がったり、レンズの位置がわずかに変わることで房水の出口が狭くなる場合があります。
もともと眼圧が高めの人や、日常的に眼圧の上下が大きい人は影響を受けやすく、ICL手術後のリスクが高くなりやすいと考えられています。
ICLが検査に影響し進行を見落としやすくなる
緑内障の治療では、眼圧・視野・隅角の状態を定期的に測定し、わずかな変化を継続して確認しましょう。
しかし、ICLを挿入すると検査値に影響が出やすくなり、眼圧や視野の数値が本来より高く出たり、逆に低く出たりすることがあります。
検査結果が安定しないと、実際には緑内障が進行していても変化が小さく見えてしまったり、必要以上に眼圧が高いと判断されて治療が強化されるケースも起こります。
検査データの信頼性が下がると、緑内障の進行を正確に把握しにくくなり、治療方針の判断が難しくなることがあります。
ICLで合併症が起きやすく治療管理が複雑になる
ICL手術では、術後に炎症が起きたり、一時的に眼圧が乱れたりすることがあります。
緑内障のある人はこうした変化に影響を受けやすく、炎症によって房水の流れが乱れると、眼圧が上がりやすくなる場合があります。
緑内障の治療で使用している点眼薬に、術後の炎症を抑える点眼薬が加わることで、治療管理が複雑になることもあります。
使用する薬の種類が増えたり、眼圧の変動を確認するために検査回数が増えたりして、通院の負担が大きくなるケースも見られます。
緑内障のある人は炎症や眼圧の変動が起こりやすいため、ICL手術後は通常よりも慎重に経過を確認しながら治療を続ける必要があります。
緑内障でもICL手術を受けられる場合を解説
緑内障と診断されている場合でも、病状が安定している場合はICL手術が検討されることがあります。
手術後に一時的な眼圧や状態の変化が起きても、目が大きな影響を受けにくいかどうかが判断のポイントになります。
ICL手術を検討できる目の状態について解説します。
ICL手術を検討できる可能性がある条件
- 眼圧が治療で安定している
- 視神経のダメージが軽く進行がゆっくり
緑内障と診断されている場合は、眼圧や視神経の状態など、ICL手術の適応条件を満たしているかどうかだけで判断するのではなく、術後の経過管理まで含めて無理なく続けられるかを考えましょう。
眼圧が安定し治療でコントロールされている場合
緑内障があっても、治療によって眼圧が安定している場合は、ICL手術が検討されることがあります。
緑内障は眼圧が急に変動すると視神経に負担がかかりやすいため、手術を考える段階では眼圧の数値が安定しているかどうかが重要な判断材料になります。
眼圧が安定している状態とは、房水(目の中の液体)の流れが大きく乱れておらず、レンズを挿入しても影響が出にくいと考えられる状態です。
診察のたびに眼圧の数値が大きく変わらない状態が続いていれば、術後に起こる変化にも対応しやすく、経過管理もしやすくなります。
点眼治療によって眼圧が適切な範囲に保たれており、日常的にも大きな上下が見られない場合は、ICL手術を前向きに検討できるケースがあります。
視神経のダメージが軽く進行がゆっくりな場合
視神経のダメージが軽く、緑内障の進行がゆっくりな場合は、ICL手術が検討されることがあります。
緑内障では、視神経がどの程度残っているかによって、眼圧や状態の変化にどこまで耐えられるかが変わります。
視神経に余力がある段階であれば、ICL手術後に起こる小さな変化にも対応しやすく、経過管理を行いやすくなります。
たとえば、視野検査で大きな欠けが見られない場合や、視野の変化がゆっくり進んでいる場合は、視神経のダメージが比較的軽い可能性があります。
左右の目で進行度に大きな差がなく、医師から安定している状態と判断されている期間が続いている人も、手術前後の対応が比較的スムーズに行いやすくなります。
視神経のダメージが軽く、進行が緩やかな状態であれば、ICL手術を安全に検討できる可能性が高まります。
ICLを検討する際は、実績や費用などを比較し、自分に合った医療機関を選びましょう。
ICL手術後に緑内障を発症した場合の対応
ICL手術のあとに緑内障が見つかった場合は、変化を早い段階で確認し、視神経への負担をできるだけ抑えることが大切です。
手術後しばらくは眼圧や視野の数値が安定しにくいことがあるため、数値の変化に合わせて検査や治療内容を調整していく必要があります。
ICL手術後に緑内障と診断された場合の主な対応を解説します。
ICL手術のあとに緑内障が出た場合は定期検査で症状悪化を防ぐ
ICL手術のあとで緑内障が出た場合は、定期検査によって眼圧や視野の変化に早く気づくことが大切です。
緑内障は進行がゆっくりでも、視神経への負担が続くと、少しずつ視野に影響が出やすくなります。
ICL手術後は、房水(目の中の液体)の流れが乱れやすく、房水が通る隅角の形が変化することもあるため、状態の変化を見逃さないことが大切です。
検査では、眼圧・隅角・視野を定期的に確認し、負担が大きくなる前の変化を見つけていきます。
とくに緑内障が出やすい時期は、検査の間隔を短くして経過を追うことで、状態の変化に気づきやすくなります。
| 検査項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 眼圧検査 | 眼圧の変化が続いていないかを確認する |
| 隅角検査 | 房水の出口である隅角の広さや動きを確認する |
| 視野検査 | 視神経への負担が視野に現れていないかを確認する |
たとえば、眼圧が高めの日が続く場合には検査回数を増やして変化の傾向を確認します。
隅角の狭まりが見つかった場合も、状態の変化を確認しながら悪化を防ぐ対応が必要になります。
早い段階で目の状態の変化に気づくことで、視神経への負担が大きくなる前に対応しやすくなり、緑内障の進行を抑えやすくなります。
点眼治療などで眼圧を下げ進行を抑える
ICL手術後に緑内障が出た場合は、点眼治療によって眼圧を下げます。
緑内障は眼圧が高い状態が続くほど視神経に負担がかかるため、眼圧を下げて負担を軽くすることが治療の目的になります。
点眼治療では、房水の流れや量に働きかけることで眼圧を下げることが基本です。
点眼治療のポイント
- 房水の流れを整える作用のある薬を使用する
- 房水が作られる量を抑えて眼圧を下げる
- 効果を確認しながら薬の種類や量を調整する
治療中は、眼圧や視野の状態を定期的に確認しながら、点眼薬の種類や量を調整していきます。
点眼薬によって眼圧が安定する人もいれば、複数の薬を組み合わせることで状態が落ち着く人もいます。症状の変化に応じて治療内容を見直すことが一般的です。
目の状態に合った治療を続けることで、視神経への負担を抑えやすくなり、緑内障の進行を緩やかにしやすくなります。
改善しない場合はICLレンズを外す判断をする
点眼治療を続けても眼圧や視野の状態が改善しない場合、ICLレンズを外す選択が検討されることがあります。
緑内障の進行が落ち着かない状態では、ICLレンズが房水の流れに影響し、眼圧の管理を難しくしている可能性が考えられます。
ICLレンズを外すことで房水の流れが整い、眼圧や症状が安定しやすくなるケースも見られています。
ICLレンズを外すには再手術が必要になりますが、視神経への負担を減らすことを目的とした判断になる場合もあります。
実際に、ICLレンズを外したあとで眼圧が落ち着き、視野の変化がゆるやかになる人もいます。
点眼治療だけで十分な改善が得られない状況では、ICLレンズを外す判断が視神経を守る重要な選択になります。
緑内障の人がICLを検討する場合のポイント
緑内障の症状がある場合はICL手術を受けられない可能性が高いため、眼圧や視神経の状態を正しく知ることが重要になります。
眼圧や視神経の状態が安定していれば、手術が検討されるケースもあるため、数値や経過を確認しながら判断しましょう。
診察では眼圧の変化や視野の動きを細かく見てもらうことで、自分では気づきにくい眼圧や視野の変化に気付きやすくなります。
無料で行える検査を利用すれば、費用の心配をせずに自分の目の状態を確かめるきっかけになります。
緑内障の人は、自身の目の状態を優先しながらICL以外の選択肢とも比較することで納得した判断につながります。
