ICL手術を受けると白内障になりやすいのか解説!リスクと手術可能なケースを紹介

ICLは、目の中に小さなレンズを入れることで、裸眼の見え方を整える視力矯正手術です。

白内障がある場合は、水晶体の濁りが見えにくさの原因となっているため、ICLでレンズを追加しても視力の改善が十分に得られないことがあります。
白内障の状態によってはICL手術を受けられないケースも見られます。

白内障の場合にICLが向かない理由や、白内障の進み具合によってICL手術が選択肢に入るケース、ICL手術後に白内障が見つかった場合の対処法について解説します。

白内障の原因とICLの役割を理解することで、自分の目の状態に合った選択肢が分かり、手術前に医師へ相談すべきポイントもまとめやすくなります。

ICL手術をすると白内障になりやすい?ICLと白内障の関係

ICL手術と白内障手術の違い

白内障は、年齢や体質の影響によって水晶体が濁り、物が見えにくくなる状態です。

ICL手術によって白内障が進行するわけではないため、ICL手術と白内障は別のものとして理解することが大切です。
白内障が起こる原因と、ICLがどのような仕組みで視力を補う手術なのかを知っておくことで、自分の見えにくさに合った治療方法を判断しやすくなり、手術を検討する際に医師へ相談すべきポイントも分かりやすくなります。

ICL手術を受けても白内障になりやすくなるわけではない

ICL手術を受けたからといって、白内障を発症する確率が特別に高くなるわけではありません。

ICL手術と白内障の関係
項目 内容
白内障の発症原因 主な要因 加齢や体質による水晶体の変化
ICL手術との関係 発症リスク ICL手術によって特別に高くなるわけではない
近視との関係 強い近視 もともと白内障を早めに発症しやすい傾向がある
現在のICLレンズ レンズ設計 水晶体との距離を保ち、刺激しにくい構造

白内障は、水晶体が年齢とともに変化し、少しずつ濁っていくことで起こるものです。
白内障の進行は、ICL手術を受けたかどうかとは関係なく、加齢や体質の影響によって進みます。

ICL手術と白内障が結びつけて考えられやすい理由として、ICLを選ぶ人には強い近視の人が多い点が挙げられます。
強い近視の人は、もともと白内障を早い時期に発症しやすい傾向があるため、手術後に白内障が見つかると、ICLが原因のように誤解されることがあります。

現在使用されているICLは、水晶体との距離を保つ設計が採用されており、水晶体を刺激しにくい構造になっています。
過去の古いタイプのレンズでは、水晶体に近い位置にレンズが入ることで濁りが生じた例もありましたが、現在のレンズでは改良が進んでいます。

白内障の発症は手術の影響ではなく、加齢や体質によって起こる変化であるため、ICL手術によって白内障のリスクが特別に高まると考えられているわけではありません。

ICLと白内障手術の目的と方法の違い

ICL手術と白内障手術は目的も手術の方法もまったく異なる手術です。

ICLと白内障手術の目的と方法の違い
項目 ICL手術 白内障手術
治療目的 近視や乱視を補正して見え方を整える 見えにくさの原因を根本から取り除く
扱う場所 水晶体の前のスペースにレンズを追加する 濁った水晶体そのものを取り除き人工レンズに置き換える
水晶体の扱い 本来の水晶体は残す 濁った水晶体を取り除く
主な適応 屈折異常(近視や乱視など) 白内障による見えにくさ
費用 自由診療が中心 保険適用で受けられる

ICLは、本来の水晶体を残したまま、近視や乱視を補正するためのレンズを目の中に追加する手術です。
見え方を整えることを目的としており、水晶体そのものには手を加えません。

一方、白内障手術は、濁って見えにくくなった水晶体を取り除き、人工レンズに入れ替える治療です。
見えにくさの原因である水晶体の濁りを、根本から取り除くことを目的としています。

ICLは水晶体を残したまま視力を補正する手術のため、水晶体に濁りがある状態では、濁りが視界に残ってしまいます。
白内障が進行している目では、ICLを入れても十分な視力改善が得られにくく、治療効果が期待しづらくなる場合があります。
また、白内障手術は保険適用で受けられる治療であり、費用面でもICLとは大きな差があります。

ICLと白内障手術では、目的や手術方法が異なるため、白内障が進行している場合は、ICLより白内障手術の方が適していることがあります。

手術のリスクは?白内障の人がICL手術を受けられない理由

白内障は、水晶体が濁ることで光が通りにくくなり、視力が低下する状態です。
見えにくさの原因が水晶体にある場合は、ICLを入れても視力の改善が十分に得られにくくなります。

白内障の人がICLを受けられない理由を解説します。

視力低下の原因が水晶体の濁りであればICLでは改善できない

白内障とICLの関係
項目 内容
視力低下の原因 白内障 水晶体の濁りによって起こる
ICLの効果 補正できるもの 近視・乱視など光の屈折異常
ICLで改善できない点 水晶体 濁った水晶体そのものは改善できない

白内障が原因で視力が下がっている目では、ICLを入れても視力の改善につながりにくくなります。
白内障は、水晶体が濁ることで光が散乱し、像がぼやけて見える状態です。
視力が低下する主な原因は、水晶体そのものにあります。

ICLは光の曲がり方を調整することで、近視や乱視を補正する手術です。
濁った水晶体そのものを改善する作用はありません

見えにくさの原因が水晶体の濁りにある場合は、ICLを入れても見え方が大きく変わらず、治療効果を期待しにくくなります。

白内障進行で視力が安定しなくなりICL度数が合わせられない

白内障進行で度数が安定しなくなりICL度数が合わせられない

白内障が進行すると、視力の度数が安定せず、ICLの度数を正確に決めにくくなる問題が生じます。

白内障では、水晶体の濁り方や厚みが少しずつ変化するため、視力度数が日によって変わりやすくなり、近視や乱視が進んだように感じる場面が増えることがあります。

ICLのレンズは、術前検査で測定した視力度数をもとに作られます。
視力度数が安定していない状態では、手術時に適切な度数を選びにくく、精度の高い視力矯正が行えません。

視力度数が不安定な段階でICLを入れると、手術後に見え方が変化し、再調整が必要になる可能性が高くなってしまい、手術後の満足度が大きく下がるケースもあります。

視力度数が安定していない目では、視力矯正手術を行う前に、白内障への治療を優先した方が見え方が落ち着きやすくなります。

白内障の場合はICLよりも白内障手術の方が優先される

白内障の場合、ICLよりも根本的な原因を取り除く白内障手術が優先される可能性が高いです。

白内障の治療が優先される理由

  • 水晶体の濁りが原因のため白内障手術が根本治療になる
  • 保険適用で費用負担が抑えられる
  • 人工レンズ選択により老眼・乱視の改善も含めた視界調整が可能

白内障がある場合は、濁った水晶体を人工レンズに入れ替えることで見えにくさを改善でき、見え方が安定しやすい白内障手術がICLより優先されます。

また、白内障手術は健康保険が適用されるため、費用の負担を抑えながら治療を受けられます。
白内障による見えにくさは白内障手術によって改善が見込めるため、視力矯正を目的としてICLを選ぶ必要はありません。
見えにくさの原因に合った治療が優先されるため、白内障がある目ではICLが適応外と判断されることが多くなります。

白内障手術の当日の流れや手順、後悔しない病院の選び方について解説しています。

白内障でもICLを検討できる例外のケース

白内障がある目はICLが向かない場面が多い一方で、状態によっては検討できる場合があります。

ICLを検討できるケース
判断ポイント 内容
白内障の進行度 初期段階 水晶体の濁りが軽く、日常生活への影響が少ない
視力低下の原因 近視 水晶体の濁りではなく屈折の乱れが主な原因
ICLの適応 屈折矯正 近視が原因の場合はICLで改善が見込める

白内障の症状が初期段階で視力低下の原因が近視の場合

白内障の症状が初期段階で視力低下の原因が近視の場合

白内障がごく初期の段階で、視力低下の原因が近視の強さにある場合はICLを検討できる可能性があります。
白内障の初期段階は水晶体の濁りが軽く日常生活に影響が少ない状態が続くため、視力低下の主な原因が水晶体の濁りではなく屈折の乱れによる近視であることが多いです。

矯正しても視界が安定しない理由が近視にある場合は、水晶体を入れ替える治療ではなく屈折矯正で改善が見込めます。視界のぼやけ方が白内障特有のかすみではなく、近視のブレに近い場合はICLの効果が出やすいため、ICLを検討することができます。
初期段階の白内障の判断は検査でしか分からないため、眼科医が水晶体の状態と視力低下の要因を見極める必要があります。
視力低下の原因が近視の場合は、ICLを使った矯正を行うことができる可能性があります。

年齢や眼の状態から白内障の進行スピードが遅いと予測される場合

年齢や眼の状態から白内障進行が遅いと予測される場合

白内障の進行が遅いと予測される場合もICLを検討できる可能性があります。
白内障の進み方は年齢や体質によって異なり、若い年代で白内障の兆候があっても数年間ほとんど変化しない場合があります。
進行が緩やかな目は視力度数が安定しやすくICLの度数調整が行いやすいです。

白内障がゆっくり進む可能性が高く、特に強度近視が強く眼鏡やコンタクトの負担が大きい人は、当面の視力改善を目的にICLを検討することができます。
白内障の進行が遅いと判断された目は視力の安定性が保たれやすく、白内障でもICLを検討できる可能性が高いです。

職業や生活のなかで裸眼視力が求められる場合

職業や日常生活の中で裸眼視力が求められる場合は、白内障があってもICLが検討されることがあります。

ただし、対象となるのは、白内障が軽度で進行が緩やかな状態に限られます。
視力の低下が水晶体の濁りによるものではなく、近視や乱視の影響が中心である場合は、視力の安定を優先してICLが選択肢に入ることがあります。

白内障が軽度で進行が緩やかな状態であれば、眼鏡やコンタクトでの対応が難しい職業や生活環境を考慮し、ICLによる視力矯正が検討される場合もあります。

仕事や生活のなかで裸眼の視力が高い必要がある場合は、白内障の進行度を踏まえてICLを検討しましょう。

ICLのあとに白内障になった場合の対処の流れ

ICLを受けた後に白内障が進んだ場合、ICLを取り外して白内障手術を行う必要があります
ICL手術後に白内障になった場合の解決策を解説します。

ICLを取り外して白内障手術を行う

ICL手術後に白内障になった場合の解決策

ICLが入った目で白内障が進んだ場合は、まずICLを取り外し、その後に白内障手術を行う流れが一般的です。
白内障手術では濁った水晶体を取り除く必要があるため、手術器具を安全に操作できるよう、事前にICLを外します。

ICLは将来的に取り外すことを前提に設計されているため、必要に応じて安全に外すことが可能です。
ICLを外したあとは、通常の白内障手術と同じ手順で、水晶体を人工レンズに入れ替え、視力の回復を目指します。

人工レンズの度数は、その時点の視力や目の状態に合わせて選び直すため、術後の見え方も調整しやすくなります。
ICLが入っていても、白内障手術へ無理なく移行できる仕組みが整っています。

白内障手術後はICLは不要になる

ICLが不要になる理由

  • 白内障手術では、濁った水晶体が人工レンズに置き換えられる
  • 人工レンズは度数を選べるため、近視や乱視の調整も同時に行える
  • 単焦点レンズや多焦点レンズなど、生活スタイルに合わせた見え方を選択できる
  • 視力調整は人工レンズで完結するため、白内障手術後にICLを再度入れる必要はない

白内障手術を受けると、濁った水晶体が人工レンズに置き換わり、視力を整える役割は人工レンズが担います。
人工レンズは度数を選んで入れることができるため、白内障手術の中で近視や乱視の調整もまとめて行えます。

人工レンズには、遠くを中心に見やすくする単焦点レンズや、複数の距離を見やすくする多焦点レンズがあり、生活スタイルに合わせた見え方を選ぶことが可能です。

人工レンズが視力の基準となるため、白内障手術後に視力を補正する目的でICLを使い続ける必要はなくなります。
視力調整は人工レンズで完結するため、白内障手術後にICLを再度入れる必要はありません。

白内障の人がICL手術前に確認すべきポイント

白内障の場合、原則としてICL手術は適応外となるケースが多くなりますが、 水晶体の濁りが軽く、視力度数が安定している状態であれば、例外的にICL手術が検討される可能性もあります。

ICLが選択肢になるかどうかは、水晶体の状態や視力度数の変化を正確に確認したうえで判断されます。
無料で事前検査を受けられるクリニックを利用すれば、費用をかけずにICLの適応可否を確認でき、治療方針を考えやすくなります。

白内障とICLは自己判断で決められるものではないため、まずは必要な検査を受け、目の状態を理解したうえで医師に相談することが重要です。

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